元：家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています

ドアの前で兄さんを待ち伏せ
背中に突き当てる包丁
兄さんが好きよ
知らない人とかどうでもいいから結婚

伝わらないのか抵抗をされて
部屋から「かえって」と叫ばれ
私は包丁持って
呪わしそうにギギギと唸った

家以外でもところ構わず
兄に求婚しています
明日はどんな求婚したら
兄さん喜んでくれるかな

ある日は爪でドアをひっかいたり
後ろから羽交い絞めにしたり
ドアノブを一回しで外したときは
軍出されそうになった

後片付けも結構楽しみで
床拭く兄を眺めてたり
明日も来るから全壊にしても
修理費は払わないわ

家以外でもところ構わず
兄に求婚しています
ちょっとでも靡けば
婚姻届すぐにでも出します

崩壊前は忙しくても
兄さんといるだけで楽しかった
寒くても兄さんがいたから
我慢をして来れたというのに

崩壊直後兄さんから離れる

なんて馬鹿なことをしたわ
家に一人になった兄さんのことを
考えて帰った

家以外でもところ構わず
兄に求婚しているのは
あの頃以上に近づきたいからに
決まっているじゃない

家に帰った兄を待ち伏せ
常に求婚することが
私なりの愛の形ならば
受け入れてくれますよね

家以外でもところ構わず
兄に求婚しています
今度こそは結婚してくれるか
期待して兄を追う